強膜炎
強膜炎とは
強膜は目の外側を覆う白い繊維組織です。
眼球の白目の色は、実は強膜の色を見ていることになります。
この白目に炎症が起こることを、強膜炎といいます。
強膜炎は30~50歳の女性に最もよくみられます。
結合組織疾患に合併することが多く、目だけでなく全身の病気の有無を確認しなければなりません。
強膜炎の種類
強膜炎は部位、重症度、炎症パターンによって分類されます。
眼球前側の強膜の炎症を前部強膜炎。後ろ側を後部強膜炎といいます。
重症度が高い強膜炎は壊死性強膜炎と呼ばれます。
強膜の炎症が広い範囲で見られるものを、びまん性強膜炎といいます。
一部分に限局した炎症パターンだと結節性強膜炎と呼ばれます。
強膜炎の症状
- 激しい目の疼痛
- かすんで見える(羞明)
- 涙がこぼれる
- 目が赤い
- 白目が腫れる
強膜炎の原因
強膜炎は自己免疫疾患と関連していることが多いです。
しかし原因が分からない場合も多々あります。原因となりうる疾患は以下の通りです。
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス
- 結節性多発動脈炎
- 多発血管炎性肉芽腫症
- 発性多発軟骨炎
強膜炎の治療
まずは非ステロイド系抗炎症薬やステロイド点眼薬で治療を行います。
点眼で不十分であればステロイドの全身投与を行います。
壊死性強膜炎など失明につながる重症な強膜炎の場合、免疫抑制剤の全身投与、生物学的製剤の全身投与が行われます。
院長コメント
強膜炎は全身疾患に伴うことが多い病気です。
強膜炎が見られた場合、目だけの診察で終わるのではなく血液検査、レントゲン検査などの全身検査が必要です。
点滴治療や内科と連携が必要な場合は、総合病院をご紹介させていただきます。