眼瞼痙攣
眼瞼けいれんとは
眼瞼けいれんとは、自分の意志に関係なく、両目の周りの筋肉が痙攣する病気です。なんらかの原因で脳から神経へ正しく指令が伝わらず発症します。眼瞼けいれんでは、まばたきがうまく出来ず、目を閉じると開かなくなる症状が出現します。初期症状はドライアイと似ています。眼瞼けいれんでは症状がゆっくりと進行し、ドライアイ症状だけでなく、まぶたの動きに制限がでるようになります。
治りにくい病気で、中高年に多く、女性は男性の2.5倍もかかりやすいといわれています。目がまったく開けられないほど重症な例は少ないですが、一見しただけでは分からないような軽症例を含めると、日本には30~50万人以上の患者さんがいるといわれています。
眼瞼けいれんの症状
眼瞼けいれんでは下記の症状がみられます。
①目を開けているのが辛い
②目が乾く
③光がまぶしい
④目がショボショボする
⑤まばたきの回数が多くなった
⑥目の周辺が不快に感じる
さらに気分が落ち込む、憂鬱な気分になる、不安、不眠などの精神症状を持つ方も半数近くあり、うつ病などと間違えられることもあります。
眼瞼けいれんの原因
眼瞼けいれんの原因は、大きく3つに分けられます。
①本態性眼瞼けいれん(原因不明)
②症候性眼瞼けいれん(脳梗塞やパーキンソン病などによる)
※症候性とは、ある病気が原因となって症状が引き起こされることをいいます。
③薬剤性眼瞼けいれん(睡眠導入薬や抗精神薬などの内服薬による)
眼瞼けいれんの原因は不明なことが多いですが、放っておいて自然に治る病気ではありません。症状が進行すると痙攣の頻度が増加し、まぶたが開かなくなる、目が見えなくなる事もあります。
眼瞼けいれんの治療
眼瞼けいれんの治療は大きく4つに分けられます。
①遮光眼鏡、クラッチ眼鏡
眼瞼けいれんによる眩しさに対しては遮光眼鏡を用います。またクラッチ眼鏡というまぶたを押し上げる機能がついた眼鏡をかけることで症状が緩和することがあります。
②内服や点眼
人工涙液の点眼や内服薬(抗コリン製剤、抗うつ薬など)を投与します。
③ボツリヌス療法(ボトックス注射)
医療用に抽出されたボツリヌス菌の毒素を痙攣している筋肉に注射する方法です。治療時間も短く、通常は入院も不要で次の日からは、普段と変わりなく生活をできます。効果の高い治療方法ですが、数ヶ月しか効果はありません。何度も繰り返し治療を受ける必要があります。
④外科的治療
眼輪筋という目の周りの筋肉を切除する方法が用いられます。
院長コメント
まぶたがピクピクして、まるで痙攣したように感じる病気は眼瞼ミオキミアといいます。こちらの症状を眼瞼けいれんと勘違いされる方も多くいらっしゃいます。実際のところは「目が開けているのが辛い」「目が開かない」という症状が眼瞼けいれんという病気になります。