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近視抑制治療

近視抑制治療の必要性

スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスの普及もあり、子供の視力は年々低下傾向にあります。最近では学校の授業にタブレットが導入されていることも多く、今後は近視の子供が更に多くなることが予想されます。子供は近視が進行しやすく、近視が進行すると眼軸長(目の長さ)が伸びていきます。眼軸長が伸びると、網膜が弱ってしまい網膜剥離の原因になったり、網膜の萎縮につながったり、新生血管という悪い血管の原因となることがあります。子供の時期に近視が発症した際は、如何に近視進行を抑制するかが重要となります。

子供の近視は増えています

前述の通り、デジタルデバイスの普及により子供の近視は年々増加しております。文部科学省による令和4年度学校保健統計における、「裸眼視力1.0未満の者」の割合のグラフは以下の通りでした。

※「文部科学省 令和4年度学校保健統計(確定値)の公表について」より引用

このグラフから分かるように、「裸眼視力が1.0未満の児童生徒」が小学生で37.9%、中学生で61.2%、高生で71.6%にまで増加しています。小学生から中学生にかけて、特に近視が進行しやすいことが読み取れます。小学生の頃に近視が見られたら、程度が軽くても進行の可能性を考えて、放置しないことが重要です。

近視はなぜ起きるのか

近視の発症には遺伝的要因と環境要因の両方が関与すると考えられています。遺伝的な要因では、両親のどちらかが近視であると、子どもが近視になる確率は約2倍。さらに、両親が共に近視だと、子どもは5~6倍の確率で近視になると言われています。環境要因には色々な仮説が立てられています。簡単にいうと、ピンぼけな映像が見えていたり、近くのものを見すぎて目に負荷がかかったりして眼球が奥に伸びていくことで近視が進行するという内容です。

日常生活でできる近視進行予防

①2時間以上、外で遊ぶこと(太陽の光を浴びる)。
②スマホ、ゲーム、勉強、読書などは30cm以上離すこと。
(子供の場合、相当手を伸ばさないと30cm離すことが難しいので注意が必要です)

当院の近視抑制治療について

当院で実施している近視抑制治療は①特殊なコンタクトレンズを用いた、オルソケラトロジーによる治療②目薬を用いた低濃度アトロピンによる治療です。近視抑制治療にご興味のある方は、まずお電話かコチラからご予約ください。それぞれ近視抑制治療には適応・非適応があったり、向き・不向きがあったりします。治療について疑問点が残らないように、何でもご相談いただければと思います。初回受診時には視力検査や度数のチェック、目の診察を行い治療が始められる状態がどうかを見極めます。

※どちらの治療も近視が強く進行している方(オルソケラトロジーは-4D以上、低濃度アトロピンは-6D以上)は治療非適応になります。

オルソケラトロジーによる治療が向いている方

  • 近視抑制に加えて日中を裸眼で過ごせるようになりたい方
  • スポーツ(特に激しいスポーツ)をするためメガネやコンタクトから開放されたい
  • コンタクトレンズのメンテナンス方法を理解し、きちんと行える方

オルソケラトロジー治療について
知りたい方はコチラをチェック!

低濃度アトロピン治療が向いている方

  • コンタクトレンズがどうしてもつけられない方
  • 1日1回点眼という簡単なものから始めたい方
  • 近視抑制治療をしたいが日常生活を大きく変えたくない方

低濃度アトロピン点眼液による治療について
知りたい方はコチラをチェック!

それぞれの治療効果

オルソケラトロジー

遠視性デフォーカスという近視進行の原因を抑えることができます。
更に抑制効果だけでなく、就寝中に角膜の形を変形させることで、起きている間は近視が矯正された状態になり、眼鏡やコンタクトレンズが不要になります。

低濃度アトロピン

低濃度アトロピン点眼の使用により近視の進行を平均60%軽減させると報告されています。少なくとも2年は治療を継続することが勧められています。

文責

日本専門医機構認定 眼科専門医 
竹本俊旭

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