逆まつ毛(睫毛乱生・睫毛内反)
逆まつ毛とは
通常、まつ毛は外側に向いており、目に接触することはありません。
まつ毛が内側へ向き、目の表面をこすっている状態を「逆まつ毛」といいます。
ただ接触しているだけだと症状が出ないこともありますが、角膜(目の表面)を傷つけている場合は、コロコロしたり痛みがでたりします。
また、角膜に傷がつき、視力障害につながることもあります。
逆まつ毛の症状
まつ毛が敏感な角膜をこすり、傷をつけることで様々な症状が引き起こされます。
目が痛い・コロコロする
目の表面には知覚神経が走っており、まつ毛によって目に傷ができると痛みや異物感を自覚するようになります。
目がかゆい・充血する
反復する刺激が炎症を引き起こし、かゆみや充血が生じることがあります。
目やに
目の表面が刺激されると粘液が過剰に分泌されることがあります。
これにより目やにが出るようになります。
逆まつ毛の原因
逆まつ毛の原因は大きく分けて2つあります。
睫毛乱生
「まぶた」の炎症や傷跡により、まつ毛の生え方が不規則になることで生じるもので、「睫毛乱生」と呼ばれます。
眼瞼内反
「まぶた」そのものが内側へ向いてしまい、まつ毛全体が眼球に接触するもので、「眼瞼内反」と呼ばれます。眼瞼内反には、皮下脂肪でまぶたが膨らんでいる乳幼児にみられる先天性のものと、加齢による「まぶた」の筋肉の衰えから生じる加齢性のものがあります。
逆まつ毛の治療
乳幼児~小学生に見られる眼瞼内反による逆まつ毛は、成長に連れて自然に治る場合が多いため様子を見ます。
異物感が強い場合は、目の表面を保護する点眼を使用します。
成長しても治らない場合や、目の表面の傷が強い場合、加齢性のものは手術を行うことがあります。
部分的に2,3本だけまつ毛が内側へ向いている場合は、痛みの原因となっているまつ毛を抜くことが治療に繋がります。
ただし数ヶ月程度で抜いたまつ毛が生えてくるため、定期的なまつ毛の抜去が必要となります。
院長コメント
逆まつげで困っている患者様はたくさんおられます。
ご自身で毛抜やピンセットを用いて抜こうとされる方もいらっしゃいますが、かなり難しいと思います。
顕微鏡で拡大して抜くと数秒で抜くことができます。
無理をなさらずに気軽に相談ください。
逆まつ毛の予防
逆まつ毛を予防する方法をご紹介いたします。
目をこすらない
目をこすると、まつ毛の根元にある毛包が刺激されて、まつ毛の向きが変わる可能性があります。
目のゴロゴロ感やかゆみを感じたときは、目をこすらずに、清潔なガーゼやティッシュでそっと拭き取るようにしましょう。
まぶたの炎症などを放置しない
まぶたの炎症を繰り返すと、まつ毛の向きが変化する可能性があります。
そのため、まぶたの炎症を早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。