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多焦点眼内レンズ

多焦点レンズとは

白内障手術の際に挿入する眼内レンズには、大きく分けて単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズがあります。一般的には、単焦点の眼内レンズを使用します。単焦点眼内レンズを挿入すると、ピントの合う点が1点のみになります。つまり、遠方にピントを合わせると、近くのピントが合わないために老眼鏡が必要になります。逆に近くにピントを合わせると、遠くを見るときにメガネが必要になります。一方で、遠くも近くも見えるようにレンズ加工を施した高性能なレンズが多焦点眼内レンズです。多焦点レンズを用いた手術を受けることで、多くの方が眼鏡なしで日常生活を送ることができるようになります

各レンズの見え方

単焦点レンズ

ピントを合わせた距離のものが非常にクリアに見えます。ただし、ピントから外れれば外れるほどぼやけて見えてしまいます。夜間においては、まぶしい光もクリアに見えます。
(見え方のイメージは遠方に焦点を合わせたものです)

3焦点自然視覚レンズ

3つの焦点(遠・中・近)距離のものが、同時にクリアに見えます。一方で夜間においては、まぶしい光が若干ぎらついて見えます。

焦点深度拡張型自然視覚レンズ

遠方から中間、そして実用的な近方距離まで切れ目なくクリアに見えます。夜間においても、まぶしい光がクリアに見えます。

※写真はシミュレーションイメージです。術後の見え方には個人差があります。
※焦点があっているところでも、場合によっては眼鏡が必要なことがあります。

多焦点眼内レンズのメリット

遠方・近方の両方が見えるようになる
遠方・近方の両方にピントが合うことは、多焦点眼内レンズの最大のメリットです。白内障を改善し視界がすっきりするだけでなく、老眼を矯正することで術後の生活の質が大きく向上します
ほとんどの人が日常生活において眼鏡やコンタクトから開放される
多焦点眼内レンズを挿入された方の約9割の方が、眼鏡やコンタクトなしで日常生活が送れるようになっています。 ※ただし、車の運転や長時間の近方作業時など、特定のシーンで眼鏡やコンタクトが必要になることはあります。
選択肢が豊富
多焦点眼内レンズは、非常に多くの種類が用意されています。遠・中・近と3つに焦点が合うレンズや、近方はやや弱いが多焦点と単焦点の両方の良いところを足したようなレンズも登場しています。

多焦点眼内レンズのデメリット

費用がかかる
単焦点眼内レンズを使用する場合と比べると、費用がかかります。ただ、以前までは多焦点眼内レンズを挿入される患者様は全額自費診療となり、非常に高額な治療となっていました。しかし近年、多焦点眼内レンズは選定療養が認められ、費用の一部が保険診療となるため、ご負担が軽減されました
コントラストの低下、グレア・ハロー
多焦点眼内レンズは、各距離に光エネルギーを配分しているため、単焦点眼内レンズと比べると、くっきり感が劣る部分があります。また、夜間に信号や対向車のライトを見ると、光の周りに輪が出たり(ハロー)、光が長く伸びてまぶしさ(グレア)を感じたりすることがあります。通常3カ月程度で順応し、気にならなくなる方が多いです。一方で、焦点深度拡張型自然視覚レンズが登場し、これらのデメリットが無いにも関わらず遠~中距離まで見えるようになることが期待できます(当院でも選択いただけます)
慣れるまで時間がかかる
複数の焦点を同時に合わせるタイプの多焦点眼内レンズ(3焦点)では、見え方が今までのものと異なるため慣れるまで数ヶ月かかる場合があります。

選定療養についてのご案内

当院では、選定療養での多焦点レンズの手術を行なっています。選定療養による多焦点レンズの手術では、手術にかかる費用は単焦点レンズと同じく健康保険適応となりますが、多焦点レンズにかかる代金は別途自己負担となります。詳しくはコチラ

多焦点眼内レンズを用いた手術費用表

  TECNIS Synergy
(AMO)
PanOptix
(Alcon)
Vivity
(Alcon)
乱視無(片目) 275,000円
(税込)
285,000円
(税込)
300,000円
(税込)
乱視有(片目) 300,000円
(税込)
305,000円
(税込)
取り扱いなし
光学面 回折+EDOF ENLIGHTEN
光学テクノロジー
(回折型)
波面制御型
焦点深度拡張レンズ
焦点 近~遠 近~遠 中~遠
文責

日本専門医機構認定 眼科専門医 
竹本俊旭

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