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霰粒腫

霰粒腫とは

霰粒腫とはまぶたに存在する油の分泌腺である「マイボーム腺」が詰まってしまうことによって生じます。
分泌腺の出口が詰まることで通常は涙に分泌される油が、分泌腺内にたまって肉芽腫(かたまり)を形成します。
「ものものらい」と異なり、細菌感染を伴わない無菌性の炎症です。

霰粒腫の症状

まぶたの腫れ

まぶたに油の成分が溜まり、まぶたが腫れてきます。
溜まったものが炎症を引き起こした場合は痛みを伴うことがありますが、多くの場合痛みを伴いません。

まぶたのしこり

腫れたまぶたを触るとコリコリした触感を感じる場合が多いです。

霰粒腫の原因

マイボーム腺の詰まりが主な原因です。
マイボーム腺はまぶたに存在する油を分泌する大切な分泌腺です。
この分泌腺が詰まる原因として、以下のものがあげられます。

  • 疲れや不規則な生活
  • ストレス
  • ホルモンバランスの乱れ
  • アイラインなどの化粧品

霰粒腫の治療

目薬による治療

痛みもなく小さいものであれば、ステロイドの点眼や眼軟膏による治療を行います。

まぶたを温める治療

油の分泌腺がつまることが原因ですので、まぶたを温めて油の腺を溶かしてやると改善することがあります。
これを温罨法(おんあんぽう)といいます。

まぶたへの注射による治療

ステロイドの目薬や温罨法で効果がない場合は、霰粒腫に直接ステロイド薬を投与する方法があります。
薬が効けば外科的に切除するより身体への負担が小さいです。

手術による治療

前述の治療で改善を認めない場合は、外科的に溜まった分泌物を除去する必要があります。
小さいものはまぶたの裏側から手術を行い、溜まった内容物を掻き出します。
まぶたの裏側から手術をするので、術後の腫れが引けば手術の痕はわかりません。
大きくまぶたの表面まで霰粒腫が露出している場合は、まぶたの表側から摘出を行います。
この場合、切開が必要ですので最後に糸で縫います。
しばらくの間は傷口が気になります。

院長コメント

日頃から分泌腺がつまらないように、まぶたを清潔に保つことが重要です。
当院ではリッドハイジーン(眼瞼洗浄)と呼ばれる、「まつ毛」を重点的に洗浄する方法を患者様にお伝えしています。
髪の毛や眉毛、その他の毛が生えている場所は洗いやすい部位が多いですが、「まつ毛」に関しては意識しないと洗浄できません。
歯磨きや入浴のたびに洗浄する癖をつけるとなお良いと思います。

当院での霰粒腫の治療

霰粒腫が見つかったら

当院ではまず目薬、温罨法、眼瞼洗浄を行います。
それでも良くならない場合は、注射や手術を提案させていただきます。
手術をすることでドライアイを発症・悪化させることもあるので、当院ではまず身体への負担が少ない治療から始めていきます。

改善してからの注意点

院長コメントにあるように発症や再発を防ぐためには、まぶたを清潔に保つことが重要です。
可能なら眼瞼洗浄や温罨法を治癒した後も続けてください。

注意が必要な霰粒腫

高齢者で急速に大きくなる霰粒腫は悪性腫瘍との鑑別が必要です。
特に上まぶたに発生しやすい脂腺癌は発見された時には転移していることもあるため早期に切除する必要があります。

文責

日本専門医機構認定 眼科専門医 
竹本俊旭

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