メニュー

黄斑上膜

黄斑上膜とは

(日本眼科学会HPより引用)

黄斑上膜は、網膜(目の中の光を感じる部分)の中心部分である黄斑(網膜の中心部)に薄い膜ができ、網膜の機能を障害する病気です。網膜の病気の中では、発症しやすい病気です。50~70代の方や近視が強い人に発症しやすいです。
進行が緩やかで、失明することはありません。しかし、網膜裂孔に合併して発症することもあるため、なるべく早くに検査することをお勧めします。網膜裂孔は放置すると網膜剥離を生じ、緊急手術が必要となることもあります。

黄斑上膜の症状

早期の黄斑上膜は、自覚症状はほとんどありません。症状が軽微であることと、健康な目の方で補って見ているためです。黄斑上膜が進行していくと、下記の症状がみられます。

  1. 物が歪んで見える(変視症)
  2. ぼやけてみえる
  3. 中心暗転(視野の中心部分が暗くなる)
  4. 視力低下

黄斑上膜の原因

50~70代で見つかるものは、ほとんどの場合は加齢によるものです。目の中はゼリーのような物質(硝子体)で満たされています。その硝子体と呼ばれる物質が年齢とともに変化し、網膜に繊維として付着することで黄斑上膜となります。その他にも、網膜剥離やその手術後、ブドウ膜炎などに伴って発症します。

黄斑上膜の治療

有効な点眼薬や内服薬はないため、軽症な場合は経過観察します。変視症が強く出る場合や視力低下がみられる場合は、硝子体手術を行います。硝子体手術では、黄斑部分にできた薄い膜をピンセットで取り除きます。50歳を超える方には、白内障手術を同時に行うこともあります。

(※軽度の黄斑上膜:日本眼科学会HPより引用)

(※進行した黄斑上膜:日本眼科学会HPより引用)

院長コメント

黄斑上膜は必ず手術が必要な疾患ではありません。視力が下がっていない状態で手術をすると、術後の視力が手術前より悪くなることがあります。これはピンセットで膜除去をする際に、どうしても正常網膜も一緒に引っ張られるからだと考えられます。手術が本当に必要かどうか判断することが重要です。

眼底検査の重要性

眼底検査とは散瞳薬という目薬を用いて行う検査です。目薬で瞳を大きな状態にして、眼球の状態を詳しく調べる検査のことを言います。この検査の後は4~5時間程度は視力低下、羞明(まぶしい)、ピントが合わないといった症状が出るため苦手な方が多いです。黄斑上膜の原因のひとつに網膜裂孔(網膜の孔)があり、眼底検査をしないと孔が見つからない場合があります。網膜の病気が疑わしい場合は、病気の拡がりや、合併疾患のチェックのために眼底検査を受けるようにしましょう。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME