黄斑円孔
黄斑円孔とは
(日本眼科学会HPより引用)
黄斑円孔は、人がものを見る上で重要な役割を担っている網膜の黄斑部分に丸い穴(円孔)があき、視力に影響する病気です。発症率は中高年者の0.09〜0.3%程度であり、女性の方が、男性の2〜3倍多く発症し、高齢者、また強度近視眼の方が発症しやすいと報告されています。片方の目に発症しやすいですが、数か月~数年にかけて徐々にもう片方の目にも発症することもあります。
黄斑円孔の症状
よくみられる症状として以下のものが挙げられます。
- 突然起こる視力の低下
- 物が歪んで見える
- 中心がくぼんで見える
次第に黄斑部分の孔が広がって進行していく病気であるため、進行すると視野の中心が欠けて見える(中心暗転)という症状がみられます。この症状は視力に影響を及ぼすため、できるだけ早く治療する必要があります。
黄斑円孔の原因
加齢による硝子体(目の中のゼリー)の収縮が原因の一つです。硝子体とは、目の大部分を満たすゼリー状の物質で、網膜にも一部接着しています。加齢に伴い、硝子体が収縮して網膜から離れていき、引っ張られることにより網膜に亀裂が生じ、孔が開いてしまいます。
(日本眼科学会HPより引用)
黄斑円孔の治療
硝子体の牽引に伴う黄斑円孔は自然と治ること少なく、点眼や内服薬で治療できるものでもありません。また進行性の病気であるため、早期の治療が必要です。黄斑円孔と診断されましたら、早いうちに手術を受けられることをお勧めします。
治療は「硝子体手術」という手術を行います。硝子体手術とは、角膜の端3~4mm程度の場所に直径1mmの小さな孔を開け、目の中の空間を手術します。硝子体を切除し、網膜を引っ張る力をなくします。最後に特殊な気体を注入して網膜を押し付けて、黄斑円孔を閉鎖します。一般的な治癒率は90%といわれています。
気体による圧力で黄斑円孔を閉じるので、手術後は気体が黄斑円孔の部分に当たる必要があります。そのため手術後は可能な限り「うつむきの姿勢」をとっていただく必要があります。手術よりも姿勢維持の方が大変だったと言われる方が多いです。
(日本眼科学会HPより引用)
院長コメント
突然の視力低下や視界の歪みが生じた場合は、すぐに眼科を受診しましょう。黄斑円孔は早期発見・早期治療により、より良い視力予後が期待できます。当院は日曜日も診察しておりますので、休日でもより早く診断することができます。